上田電鉄

(上田電鉄別所線)

上田-別所温泉

 11.6km)

上田より「信州の鎌倉」と銘打つ別所温泉までの10キロ余りを結ぶ路線です。かつては上田を中心に3方向に延びていた旧・上田丸子電鉄の路線も今は別所温泉とを結ぶ1路線のみ。その路線も2019年10月の台風による千曲川橋梁崩落により2年間のバス代行に見舞われましたが、2021年3月から全線での運転を再開しました。


■主要駅リンク■


↓以下の全ての写真は、クリックすると拡大して見ることが出来ます。
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上田電鉄 上田-別所温泉 11.6km

上田

うえだ 【BE01】

1998年3月に高架化されたという駅で発車を待つ列車。今はこの1000系と呼ばれるこの車両が活躍中。上田駅は行き止まりの線路が1本だけなので、やって来た列車がすぐ折り返す運転になっていた。

乗換(JR) 北陸新幹線(東京-上越妙高)
乗換(私鉄) しなの鉄道線
下車 上田城跡公園へ真田傍陽線跡を行く

上田駅入口

連絡通路上にある上田電鉄の駅入口。

駅の入口には、開通記念品や別所線グッズを宣伝する掲示版が並んでいる。2年ぶりの全線開業記念もそうだが、この年で開業100周年ということもあってそれらの記念グッズもあった。小写真は上田駅で買い求めた温泉入浴券付きの往復乗車券。別所温泉駅から徒歩で行ける「あいぞめの湯」の入浴券が付いている。

別所線マスコットキャラ2名

路線は1つだが、マスコットキャラは2名いる上田電鉄。写真右側は地方私鉄で割と普通に見かけるようになった「鉄道むすめ」シリーズの八木沢まい。左側は別所線存続支援キャラクターの北条まどか。こちらは専属の声優(真田アサミ)さんがいて、上田駅のアナウンスもこの人の声だった。

上田駅から見る景色

上田駅の高架線ホームの端から見る景色。高架線を通るのが北陸新幹線。そして地上を走るしなの鉄道の路線が見える。

路線図

上田鉄道別所線の路線図。上田・下之郷・別所温泉駅3駅以外の黄色い色の駅はすべて無人駅で、原則1番前のドアから乗り降りする。

丸窓の駅の壁

上田駅の壁の丸い形の窓。かつてこの路線を走っていた「丸窓電車」の窓をモチーフにしたデザインになっている。1986年10月に丸窓電車は引退したが、今でもこの路線の象徴的な存在となっている。

1986年の上田交通と丸窓電車

そんなわけで時はここから35年さかのぼり、丸窓電車が引退する2カ月前、1986年夏の上田交通(当時)別所線の紹介。当時は地平ホームだった上田駅で発車を待つ丸窓電車。車両番号5253。故障しても替えの部品が無いほど車両が古く、かつ路線自体の架線の電圧を上げるために全車両引退となった。

「丸窓電車」の由来はドアのすぐ横、戸袋(ドアが収まる場所の窓)が楕円形をしていたからつけられていたのであった。

2両目は平面ガエル

列車は2両編成で、2両目は丸窓電車ではなく一回り大きなクハ290形電車が繋がっていた。東急の「青ガエル」電車の中間車に運転台をつけた車両らしく、前面が真っ平。みんなで「平面ガエル」と呼んでいた。

1986年の上田駅別所線ホーム

地平ホーム時代の別所線ホーム。別所温泉の「信州の鎌倉」のキャッチフレーズは当時からあった様で。小写真は当時の上田駅駅舎。

上田駅を発車

再び2021年に戻って上田駅を発車する列車の前面展望。駅を出て早速左にカーブ。高架線を降りていく。

千曲川橋梁

高架線を降りると踏切を挟んでその先は千曲川。上田電鉄別所線の復活の象徴となった赤い千曲川橋梁を渡る。

鉄橋を渡る列車から撮影した千曲川。水量はそこそこあるが流れは至って穏やか。この光景だけを見ると2年前に鉄橋を崩落させた川とはとても思えず。

城下駅側から見る千曲川橋梁。前方が上田駅方面。

城下

しろした 【BE02】

別所線次の停車駅。千曲川橋梁が崩落した後に城下から別所温泉までは復旧し、それから1年半後に橋が復旧するまでの間はここが列車の始発・終着駅となり、上田まではバスで結んでいた。

城下駅全景。上下列車が交換可能な駅。

三好町

みよしちょう 【BE03】

上田行きの列車から撮影した写真。終戦まで陸軍の飛行場が近くにあり、飛行場口と駅名を名乗っていた時代もあったらしい。

赤坂上

あかさかうえ 【BE04】

これも上田行き列車から撮影した駅。ホームから公道に出られる構造。

上田原

うえだはら 【BE05】

細い島式ホームが1本ある列車交換可能駅。

駅舎・改札口へは島式ホーム端から続く構内踏切を渡っていく構造になっていた。

1986年の上田原駅

再び1986年訪問時の上田原駅。当時はホームが対向式で、別所温泉方面のホームの脇に待合室を兼ねた駅舎が設置されていた。

上田原の車庫見学

そして、当時は上田原にあった車庫を見学させてもらった。駅から構内踏切をわたり車庫へ。間も無く下之郷に移転するとのことで建物はもうボロボロだった。車庫では間も無く引退する丸窓電車をスケッチしている人もいた。小写真はこの時すでに現役を引退していた車両。モハ5270形らしい。

同じく上田原の車庫にて。ED25形という電気機関車なども撮影。

急カーブを曲がる

2021年に戻って上田原を出て寺下へ。急カーブをひときわ速度を落として曲がる。

寺下

てらした 【BE06】

山小屋風の待合室があった。

寺下駅の全景。

神畑

かばたけ 【BE07】

ホームの向こうに畑が広がる。

大学前

だいがくまえ 【BE08】

駅の東側に長野大学と上田女子短期大学があり、駅のホームにも大学生らしき人の姿をちらほら見かけた。

大学前駅のホーム。

下之郷

しものごう 【BE09】

上下列車の交換可能駅で、昼間は専らほぼ中間地点のこの駅で上下列車の交換を行っているらしい。写真は下之郷駅で対向列車を待つ上田行きの上り列車、東急電鉄から来た1000系。色もほとんど変わっていなくて東横線を思い出してしまう。小写真の駅名標は、バックの写真が濃すぎて一瞬錆びだらけのまま放置されているのかと勘違いしてしまった。

やって来た別所温泉行きの列車は、丸窓電車をモチーフにしたデザインの車両。ドア横の窓が楕円形にかたどられていた。

西丸子線のホーム跡

1963年までここから西丸子までを結んでいた、上田丸子電鉄(当時)西丸子線のホーム跡。現在は建物は鉄道資料館として限られた時期に営業しているらしい。

別所温泉側から見た下之郷駅。現在車庫もこの駅にあり、留置線に停まっている車両の姿も見えた。

1986年の下之郷駅

そしてこちらが1986年訪問当時の西丸子線のホーム跡。当時から「ホーム跡」だったのだが、この頃は廃止された当時の形をより鮮明に残していたように感じる。

新車庫準備中

そして2カ月後の車庫移転を控えて準備が整っていた新しい車庫と、1500V昇圧後の初代車両となる5000系の姿。前面が平面のクハ250形と違ってこちらはカエルの顔もそのままで、我々はこの車両を「ガマガエル」と呼んでいた。

中塩田

なかしおだ 【BE10】

薄い緑色の窓枠や柱が一昔前の学校の校舎っぽい駅舎。

留置線に事業用車両が留置されていた。

塩田町

しおだまち 【BE11】

最近改築されたのか、ホームの壁や屋根が真新しい。

ホームへのアプローチは階段の他にスロープもあるバリアフリーな駅。

中野

なかの 【BE12】

他の駅と同じく単線ホーム片側のみの駅だが、一応上下列車が交換できる設備が造れるような敷地が用意されていた。

舞田

まいた 【BE13】

ここから鉄道むすめの名前の由来となった駅が2駅続き、どちらも駅名標にキャラクターの絵が描かれている。舞田はかつては「停留所」扱いで、お客の乗降が無い時は駅を通過していたこともあったらしい。

舞田駅全景。田園の中にぽつんと駅のある風景。

八木沢

やぎさわ 【BE14】

こちらものどかな風景の中にある駅。舞田と同じく駅名標は鉄道むすめのキャラクター付き。駅はAKBやいきものがかりのプロモーションビデオにも出てきたことがあるとか。

別所温泉

べっしょおんせん 【BE15】

別所線の終点であり、観光地別所温泉の最寄り駅でもある駅。別所温泉の温泉街ヘは徒歩圏内ではあるがちょっと歩く。終点も今は線路は1本だけで、やって来た列車がそのまま折り返す運転形式。

下車 別所温泉へ
別所温泉駅ホーム

別所温泉駅ホーム。この地域の七夕は8月になるそうで、ホームの屋根には七夕の飾りつけが行われていた。

同じく別所温泉駅ホームの七夕の飾りつけ。乗った列車の天井からも飾りがぶら下げられていた。

上田方面に延びる線路。駅を出るとすぐに下り勾配に差し掛かっている。駐車場の先には静態保存されている丸窓電車の姿がある。小写真はホーム先端の車止め。今は立ち入り禁止になっているが、以前はこの車止めの後ろ側を歩いて隣のホームに行き来していた。

祝・別所温泉再開通

上田電鉄別所線の全線復旧を祝う寄せ書きと、折り鶴で作られた虹の架かる千曲川橋梁のアート。駅のホームと待合室に掲げられていた。

かつての2番線ホーム

今は使われなくなった2番線ホーム。花壇・緑地帯となってホームが残っていた。駅名標もある。

改札口の辺りに掲げられていた別所線存続期成同盟会の

駅の待合室にて

待合室側から撮った駅の改札口。ちなみに駅員配置駅ではあるが時間帯によっては無人となり、他の駅と同じく車内で切符を渡して一番前のドアからのみ降りることもある。

そして待合室内にあった鉄道むすめのパネル。隣にあるのは別所線開通100年を記念して送られた花。

別所温泉駅駅舎

別所温泉駅舎。駅前広場から階段を上って公道に出るロケーションになっていて、その階段の上から駅舎を撮影。

駅前にあったパネル。別所線の鉄道資産は日本遺産となっているようで。

駅前には「別所温泉」の看板が。温泉街中心へは少し歩く。往路は上り坂ということもあり夏はきつかった。帰りは迷わず宿の送迎車を利用した。

駅の上田側から撮影した別所温泉駅と駅で発車を待つ列車。

丸窓列車の静態保存

別所温泉から少し上田方面に歩いたところに保存されていた丸窓電車。役目を終えた車両に35年ぶりに再会した。そばには丸窓電車の説明版もある。保存されていた電車の番号は5252。35年前に丸窓電車に乗った時の写真を見たら、往路が5253で復路が5251だったので、その間の車両、というか当時丸窓列車はこの3台だったようで。この電車はその時どこにいたんだろ。

ドアに書かれた「半自動ドアー」の文字。半自動ドアーと書かれた車両なんて今は全く見かけなくなったね、なんて思ってみたり。

1986年の別所温泉駅

そして再び35年前にさかのぼった写真へ。同じく階段の上から撮った別所温泉駅。駅舎の改修前で壁など一部剥がれていたりするが、スタイルは今と全く同じ

待合室に掲げられていた路線図。この時既に別所線しか残っていなかったが、上田から北へ延びる真田・傍陽線や、大屋経由で丸子に向かう丸子線などがまだ描かれていた地図だった。

別所温泉駅までこの列車に乗ってきて、この時は温泉にも行かずにそのまま引き返した。車両の番号は5251。小写真は2両目の平面ガエル。

別所温泉駅先端部から撮影した写真。今の駅と見比べると、当時は2番線も使われて最大2列車が入ってこられる構造になっていたことが分かる。また、1番線の先が引き上げ線になっていて車両が停まっている。今の丸窓電車の静態保存の場所は、この引き上げ線の一部を使ったものじゃないかと。


【宿泊宿リンク】

中松屋旅館(別所温泉)

2021年、別所温泉を旅行した時に泊まった宿。別所温泉街の中心にあり、駅までの送迎もありました。玄関上がると館内は全て畳敷きで、エレベータまでも畳が敷いてあったのが新鮮でした。お風呂は最上階にあり、露天風呂もあって眺めが良かったです。外湯の無料入浴券も貰えました。 何より偏食の激しい子供のために食事をアレンジして貰えたのがありがたかったです。






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