東京都港湾局専用線(晴海線)跡を行く

廃線跡:越中島貨物駅-晴海埠頭方面

今では再開発も進んでオフィスビルも建つ東京臨海の豊洲・晴海ですが、1989年までは東京都港湾局専用線という貨物線が臨海部の工場や倉庫を結ぶように張り巡らされていました。貨物線が全廃となって16年ほど経った日に、一度は足を運んでみたいと思っていた貨物線跡に訪れたときの記録です。

↓以下の全ての写真は、クリックすると拡大して見ることが出来ます。
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越中島貨物駅付近

越中島駅付近

東京都港湾局専用線が分岐していた越中島貨物駅付近。京葉線に架かる陸橋から東方向を見ると、地下へと進んでいく京葉線と、その左側に貨物専用線の線路が一本伸びている。写真左側の線路が、かつて晴海の方へと続いていた。なお、同じ越中島でも京葉線の越中島駅はここからさらに2キロくらい離れたところにあり、ここまでは潮見駅からの方が近い。

移動 潮見駅へ

陸橋の西側では貨物線は途切れ、その先に元は線路が続いていたと思われる空き地が続いていた。

部分的に残る遠路1

越中島貨物駅の分岐点からずっと空き地が続くが、鴎橋そばのマンションの裏手に数メートルだけ、線路が取り残されているのを見つけた。線路の脇には踏切のそばでよく見かける機材を収納する箱も残っていた。

線路を脇から眺める。

こちらは越中島貨物駅方面。線路が通っていた空き地のみが残っている。

部分的に残る線路2

豊洲運河近くの不法投棄物が目立つ空き地にも、線路が取り残されていた。

盛り土がされていて周りより高くなっている部分に残る線路。

豊洲運河

豊洲運河の橋脚跡

豊洲運河の朝凪橋より撮影。貨物線の橋は既に撤去済みで、橋脚2つだけが残っていた。こちらは越中島側の橋脚。ズームで撮った写真を見ると橋の上には船の衝突防止用と思われるランプと、多分そのランプの電源供給のための小さな太陽光パネルが取り付けられているのが見える。

そして豊洲側にも橋脚が一つ。豊洲運河を渡った先で貨物線は豊洲方面に向かう線と晴海方面に進む線に分かれていたが、豊洲方面はゆりかもめの工事や臨海地区の再開発に飲み込まれて何処を通っていたのかも分からない状態だった。

豊洲

工事中のゆりかもめ豊洲駅

廃線跡を追って歩いてみたら不意に見つけてちょっと驚いてしまった建設現場。当時豊洲ではゆりかもめの延伸工事が行われていた。臨海地域の廃線跡は意識していても新規開業路線については全然チェックしていなかった私(笑)。

移動 豊洲駅へ

ゆりかもめ豊洲駅工事の場所から歩いて5分くらいの場所にあった廃線跡。今の豊洲公園の付近らしいが正確な場所が分からず。今のGoogleの航空写真見てもそれらしき跡も見当たらないので、もうこの辺はすっかり様変わりしているのかも。

再び線路の残る部分

晴海へ向かう路線の方は当時はまだ健在で、再開発の波から逃れるように公園の裏手に線路が続いていた。

公園とはフェンスを隔てて線路が残っていた。

そして残された線路の向こうには例の橋が。

晴海橋梁

晴海橋梁

道路橋の春海橋のすぐそばに並行して架かる鉄道橋の晴海橋梁。東京都港湾局専用線の最大の遺構で、線路共々原形をしっかりとどめている貴重な存在。周囲の再開発が進む中、高層ビルをバックに架かるボロボロの橋という結構シュールな光景が見られた。今でもこの姿のまま残っているようだが、遊歩道として整備する計画もあるらしい。

並行する橋より撮影。至近距離にあるのでその姿を十分拝める。

晴海側より鉄橋を撮影。

晴海

晴海側に続く線路

晴海橋の向こう側にもさらに廃線跡は続いていた。

盛り土の下から顔をのぞかせている線路。多分土の下には線路がそのまま残されているような気がして、掘り起こしてみたくなった(笑)

晴海1丁目付近で見つけた踏切の跡。

まるで森の中に延びていくように、木の茂みに向かって続いていく線路のちょっと幻想的な風景。でもここは山の中でもなくて東京湾の埋め立て地の真っただ中なんですけどね。

晴海埠頭の倉庫

晴海の倉庫群。資料によればこの倉庫の間を貨物線が通っていたらしく、アスファルトのヒビの筋が何となくそれを彷彿とさせていたのだが、それ以上詳しいことはよく分からなかった。






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